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弁護士を選ぶ上での留意事項
弁護士は神様でもなければ聖人でもない
最初に注意しておくべきことは、弁護士の多くはあくまでビジネスとして受任しているということだ。もちろん親身になってくれる人もいるかもしれないが、連れさられた側の弁護は連れ去った側の弁護の10倍以上の労力が必要といわれる。決して割のいい案件ではないのだ。また、司法試験改革の結果、弁護士の供給が増えすぎて平均年収は900万円と以前の半分以下となっている。これでは大企業のサラリーマンと収入は変わらない。サラ金の過払金請求など、見窄らしいビジネスに手を染め始めたのも理由があるのだ。社会正義で動く弁護士は僅かだと考えよう。貧すれば鈍するである。
家事案件(離婚案件)の弁護は、弁護士によって腕に非常に差が出る
よくある誤解として「弁護士は誰を選んでも同じ」で、結果に差が出ないと考えている人も多いと思う。これは大間違いなので考えを改めること。弁護士選びを誤るだけで、本当は子供と再会できていたところを、チャンスを摘んでしまったとはよくある話である。
絶対に家事専門の弁護士を選ぶことである。
若過ぎる弁護士は避ける
仮に頭脳明晰であっても、基本的に20代では夫婦生活がどのようなものか想像がつかない。また家事案件(離婚案件)は純粋な法律論(当事者主義)ではなく、家庭裁判所の裁判官の主観や感覚で決まる(職権探知主義)かなりグダグダでいい加減なものである。ロジックも大事だが、人生経験や駆け引きがより重要視される。
相性は大事。今後の見通しも必ず聞く
面倒くさがらずに足を使って、最低5名の弁護士と面談するのがいいだろう。人柄や雰囲気を確認するため、できればオンラインではなく対面が良い。実力以外にも相性も大切である。事件の見通しも必ず聞くこと。残念ながら一度、連れ去りに会うとほとんどの場合は負けるのだが、その中でも「上手に負ける戦略」や「勝ちはしなくとも、負けはしないようにする戦略」の提案ができるかを確認するといいだろう。逆に根拠もないのにあたかも簡単に勝てるようなことを言い出せば、それは詐欺師か若しくは経験が浅く家事案件を知らない弁護士なので注意した方がいい。
家事案件を専門的にやっている弁護士を選べ
できれば家事案件を専門的にやっている弁護士がいいだろう。司法試験は難関試験なので弁護士を神格化する人もいるが、実務上の知識や技術は人により雲泥の差がある。本に書かれていない細かいテクニックは数多ある。もし企業法務を専門とする温厚な叔父に弁護を頼めば、結果は悲惨なものになるだろう。
女の弁護士はほんの少しだけ有利
連れ去った方が母親の場合、ほとんど大抵のケースは虚偽DVといわる根拠のないDV主張を繰り返してくる。そして、家庭裁判所のデフォルトの世界観は「お父さんは怖いオヤジ」なのである。女の弁護士が間に入れば、根拠のないDV主張を押さえる意味では、ほんの少しだけ役に立つかも知れない。女の弁護士がしっかりとした訴求に成功できれば、「弱者である」とする女性の主張の矛盾点を同性の立場から揺るがすことが可能になるかも知れないのである。
法テラスや弁護士系プラットフォームは注意
法テラスとは経済力が乏しい依頼人を対象とした弁護士プラットフォームである。普通に考えれば弁護士も安いフィーでは仕事はしたくない。それにも関わらず案件を受けるのは、すなわち自力でお客さんを取れない頼りのない弁護士である。筆者も実際にとんでもない目にあっている。
ドエム(M)系、なあなあ系、の弁護士も避けるべし
よくあるパターンとして、連れ去った配偶者に対してひたすら迎合を続ける「土下座外向」と呼ばれる手法を採用する弁護士がいる。しかしながら、連れ去りを行っている時点で相手方は相手弁護士と綿密かつ計画的に犯行を実行しているわけで、歩み寄っても無駄に終わることが多い。逆に金だけ無駄にとられるとか、謝ることにより裁判で非を認めたと不利な証拠にされてしまうのがオチだろう。
服装がだらしない弁護士、約束にルーズな弁護士も避けることである。彼らは結果にはシビアに責任を負わず、自分にも甘いので後の祭りである。